この絵の由来はすごく単純なこと
ただ描いてみたかった
大名行列っていうのは江戸時代にしかなかった
江戸の将軍様が、地方から江戸まで来なさいと言い
地方の大名のみなさんが、列を作ってその長い道のりをやって来る
それが大名行列
その時代のとても特殊な事情で、今ではあり得ない習慣
江戸時代の絵描きはそれを描いた
その時代を生きる人たちにとっても目を引くものだったのだろう
長大かつ華美
大名同士で競い合ったと言われる華やかさ
民衆らにとって、美しい行列は素晴らしい娯楽であったという
もしそれを今に映したらどうなるのか
自分の技術でもって描いたらどうなるのか
想像するだけで不思議な心地がする、それが面白い
だから描いてみようと思った
そう、自分なりに一度描いてみたかった
ゆるりと道を歩いていく大名行列
多くの人が手を止め、
見つめる景色に映った豪奢な行列が漆器の上を歩いていく